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鮫という資源

アブラツノサメ

田向商店が扱う「アブラツノサメ」という鮫について

分布

北太平洋の陸棚域全域、東西の北大西洋、地中海、オーストラリアの南岸、アフリカ大陸の南端および南アメリカ大陸の南部など、熱帯、亜熱帯地方を除くほぼ全域に広く分布する(阿部 1986)。
日本周辺は、北太平洋における本種の分布の西端に当たる。
東北、北海道に多く、太平洋側では千葉県以北、日本海側では日本海の西部まで生息している(吉田 1991)。
東北地方の太平洋側では水深 150 〜 300 m に分布する。
最近、北太平洋のアブラツノザメについて、形態学的・遺伝学的な比較により、Squalus suckleyi であるとする論文が報告された(Ebert et al. 2010)。
日本周辺も含めた北太平洋のアブラツノザメのすべてが S. suckleyi なのか、S. acanthias と混在するのかなど明らかではない。

産卵・回遊

本種は胎生で、妊娠期間は 20 〜 22 ヶ月と長く、2 〜 5 月に全長 30 cm 程度の胎児を産む(吉田 1991)。
回遊についての詳細は不明であるが、北太平洋で実施されたサケの調査(流し網とはえ縄)において本種が混獲されているとともにカナダ太平洋岸で標識放流されたものが、東北地方で再捕された例が少なくとも 12 個体ある(稲田 1992)。
1978 〜1998 年にカナダ太平洋岸で標識放流されたアブラツノザメ約 71,000 個体のうち、30 個体が日本周辺海域で再捕されている(McFarlane and King 2003)。
このほか 1985 年 7 月にバンクーバー付近で標識放流されたアブラツノザメが、2003年 9 月に青森県下北半島沖で再捕されるなど、数例以上の再捕報告があるようである。
以上のことから、本種は北太平洋を広範囲に移動していると推定される。
しかし、日本周辺から標識放流した個体の北米西岸での再捕記録は現在のところ得られておらず、日本周辺と北米を往来しているのか、北太平洋で 1 つの系群なのか東西で異なるのかなどは明らかではない。
北日本の沿岸域でも出産すると推定されるが、繁殖場は特定されていない。

成長・成熟

カナダのブリティッシュコロンビアでは生後 30 年で雄は全長 90 cm、雌は 1 m に達し、雌は 60 歳以上になる。
成熟年齢は、雌では生後 23 年(全長約 90 cm)、雄では生後 14 年(全長約 70 cm)である (Ketchen 1975)。

食餌・捕食者

主に魚類および頭足類を捕食し、サケやマダラ等の有用魚種も捕食する(Sato 1935、三河 1971)。
我が国周辺における本種の捕食者は不明であるが、大西洋では、クロマグロが本種の捕食者であることが報告されている(Chase 2002)。

>>引用「平成 23 年度国際漁業資源の現況 39 アブラツノザメ 日本周辺」(PDF)